双子は可哀想?
「双子で良かった」の話をする前に、まったく逆の「双子はママの愛情が半分こだから可哀想」の話をしたいと思います。
そんなこと、聞いたことありませんか?
私は、ネット上でみかけたり、何より自分自身でそう思った時期がありました。
まだ2人が、首も座らない頃だったかと思います。
ぎゃんぎゃんと泣く我が子たち。
どっちも、目一杯泣いてる。
この世の終わり、ってほど。
眠いのか、お腹が空いたのか、寂しいのか、分からないけど、抱っこしてあげなくちゃ。
でも2人抱っこはできないよ。
今、この子のオムツを替えるから、あなたは抱っこできないよ。
今、この子がミルクを飲んでいるから、あなたは抱っこできないよ。
今、この子を抱っこしてるから、あなたは抱っこできないよ。
どれだけ公平に接しようとしていても、そんな状況になることはよくありました。
愛情を半分こにしているつもりはないけれど、物理的に手が足りない。
じゃあいっそ2人とも抱っこしない方が良い?
こんなに泣いてるのに?
それって酷い母親?
同時抱っこの方法もいろいろあるけど、1人を両手で大事に抱っこするのとはやっぱり違う、こんな状態で愛情が伝わるのだろうか、と思ってしまって。
「ちょっとぐらい泣かせといてもサイレントベビーになったりしない」
「泣くのも運動のうち」
「泣くのは抗議ではない、”あなたを必要としている”という、言わば愛情表現だ」
自分に、いろんなことを言い聞かせていました。
双子は不幸なの? 可哀想なの? この子たちはどう思っているんだろう?
そんなことを悶々と考え、悩んでいました。
悩んだ末の結論は
ある時、「やれることをやるしかない」という当たり前の答えにたどり着きました。
だって、そうするしかできなかったんです。
ママは一人しかいない。
どちらも大切な我が子。
重要なのは、育児を通して「あなたを愛している」というメッセージを子どもに伝えることができるかどうか。
メッセージを受け取ってくれた子は、双子でも一人っ子でも関係なく、自己肯定感を持ち、心が安定してきます。
そして「両親の子で良かった」「生れてきて良かった」と思ってくれるのです。
愛情を伝える方法は、乳児期の抱っこが全てではありません。むしろそれは長い育児期間のほんの一瞬なのです。
抱っこが重要でないと言いたいのではありません。
ママの抱っこで赤ちゃんが安心感を得る、そのスキンシップは母子にとって重要です。
だからこそ、双子のママは悩むのです。
双子の赤ちゃんをもって、いろいろ悩み、手探りで答えを探していくことも愛情です。
それだけ2人のことを大事に思っているという証拠です。
乳児期の時の抱っこが十分にできていないと思うならば、他で挽回する方法を考えれば良いですよね。
それは笑顔で接するようにするとか、絵本をたくさん読んであげるとか、ほっぺにちゅうするとか、方法はママと赤ちゃんの心地良いものであれば何でも良いと思います。
私は、双子が1歳3ヵ月の今、ことあるごとに2人を「だいすき ぎゅっ ぎゅっ」と抱きしめて、愛情を伝えようとしています。(絵本のセリフです)
うちの双子たちは、泣いていてもすぐには抱き上げてもらえないこともありました。ですが幸い、心の安定した良い子たちです。
ママなりの「大好き」メッセージが2人に伝われば、「可哀想」なんてことにはならないのだと思います。
うちの双子は、「双子で良かった」って思ってくれるのだろうか
赤ちゃんが2人いると可愛いとか、微笑ましいとか、親目線での「双子で良かった」はたくさんあります。
では、双子本人たちにとって「双子で良かった」と思えるようなことって何があるのでしょうか?
これからの2人の、長い人生について(どうしても親目線が入ってしまう部分があるのですが)思いを馳せてみました。
まず、幼児期から、いつでも遊び相手がいます。思い切りケンカして仲直りのしかたを覚えられます。そして喜びを共有できる相手がこんなに身近にいることはとっても良いことですよね。
少し成長してくると、自意識が強まってきて、互いに反発する時期もあるかもしれません。双子としての自分ではなくて、個人として自立するために、相手を否定したり、自分の個性を探して悩んだり。でもそうして自分を見つめる機会が持てるというのは、心の成長につながると思っています。
そのうち、親に言えないことも話し合いながら大きくなって、互いが一番頼りになる存在になるはずです。支えあってくれるはずです。
そうだと良いな、という願いが込められていますが。
今では、「双子って、生まれる前から親友がいるみたいなものだな」と思っています。
そう考えたら素敵じゃないですか?
一緒に笑って、一緒に泣いて、ずっと寄り添ってくれる相手がいる。
小さな赤ちゃん2人を見ながら私が考えたことは、「この子たちは、将来、親が死んでも2人で生きていってくれる」ということでした。
どんなに愛情をかけても、どんなに心配しても、親子の別れは必ずやってきます。
そんな時に、悲しみを共有できる相手がいるというのは心強いですよね。
2人で乗り越えていってくれるんだ、そう思うと何だか安心できます。
将来、2人が大きくなった時に、そんな双子の良いところに目を向けて、「私たち(俺たち)、双子で良かった」と思ってくれたら嬉しいです。
「双子なんかに生まれたから、親に愛情をかけてもらえなかった」なんて思われてはたまりません。
だって、どこの双子ママだってそんなこと思っていないですもんね。
双子という生まれを肯定的に捉えてもらうために、私が今できることは、日々の「大好き」メッセージの発信だと思っています。
そして私が考えもしないような「双子で良かった」と思えることをたくさん見つけていって欲しいです。
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第1弾と第2弾はこちら。